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福田 光宏; 荒川 和夫; 奥村 進; 奈良 孝幸; 石堀 郁夫; 中村 義輝; 横田 渉; 上松 敬*; 田村 宏行
Proceedings of the 1999 Particle Accelerator Conference (CD-ROM), p.2259 - 2261, 1999/00
サイクロトロンのビーム利用効率を高めるため、イオン種とエネルギーを短時間で切替えるカクテルイオン加速法を開発した。この方法では、M/Q値がほぼ等しい複数のイオン種を同時にサイクロトロンに入射させ、加速周波数または磁場を特定のイオン種に合わせることによりほかのイオンを分離している。原研AVFサイクロトロンの質量分解能は、加速ハーモニクス2場合、A(M/Q)/(M/Q)=410であり、M/Q=4のカクテルイオンのM/Q値の差はこれ以下であるため、異種イオンの混入が避けられない。そこで、ECRイオン源での供給ガスを短時間で切替える方法、加速周波数を微調する方法、安定同位体イオンを加速する方法などで異種イオンの混入率を抑えた。さらに分解能を高めるため、加速電圧を下げてターン数を増やして異種イオンを加速位相から早く外す方法を考案し、異種イオン混入率を10以下に抑えることに成功した。
荒川 和夫
放射線化学, (65), p.44 - 46, 1998/00
AVFサイクロトロンにおいて、イオン種・エネルギーを短時間で変更する技術として、新たに開発したカクテルビーム加速技術の原理・方法について紹介した。その加速技術は、ECRイオン源に複数のガスを導入し、生成したM/Qがほぼ同じで、分析電磁石で分解・弁別できないイオン種をすべてサイクロトロンへ入射し、同時に加速する。サイクロトロンから単一イオン種を引き出すための方法として、加速周波数を変える方法と、トリムコイルによる磁場を変える方法がある。この両方法とも、サイクロトロンでイオン種・エネルギーを変更する際に周波数か磁場のどちらかをわずかに変更するだけで可能であるため、極めて短時間でイオン種を変更できる。